# | 固有値分解 | 特異値分解 |
---|---|---|
1 |
正方行列 \(A\) に対して、以下が成り立つ固有ベクトル\(\vec{v}\)と固有値\(λ\)が存在する。 \(A\vec{v}=λ\vec{v}\) |
長方形の行列 \(M\) に対して、以下が成り立つ特異ベクトル\(\vec{u}、\vec{v}\)と特異値\(σ\)が存在する。 \(M\vec{v}=σ\vec{u}、M^{T}\vec{u}=σ\vec{v}\) |
2 |
固有値を並べた行列を\(Λ\)とする。 \(Λ=\begin{pmatrix} λ_{1} & & \\ & v_{2} & \\ & & ... \end{pmatrix} \) |
特異値を並べた行列を\(S\)とする。 \(S=\begin{pmatrix} σ_{1} & & \\ & σ_{2} & \\ & & ... \end{pmatrix} \) |
3 |
固有ベクトルを並べた行列を\(V\)とする。 \(V=\begin{pmatrix} \vec{v}_{1} & \vec{v}_{2} & ...\end{pmatrix} \) |
特異ベクトルを並べた行列を\(U、V\)とする。 \(U=\begin{pmatrix} \vec{u}_{1} & \vec{u}_{2} & ...\end{pmatrix} \) \( V=\begin{pmatrix} \vec{v}_{1} & \vec{v}_{2} & ...\end{pmatrix}\) |
4 |
行列で表すと \(AV=VΛ\) |
行列で表すと \(MV=US、M^{T}U=VS^{T}\) |
5 | \(A=VΛV^{-1}\) | \(M=USV^{-1}、M^{T}=VS^{T}U^{-1}\) \(MM^{T}=USV^{-1}VS^{T}U^{-1}=USSU^{-1}=USSU^{T}\) \(M^{T}M=VS^{T}U^{-1}USV^{-1}=VSSV^{-1}=VSSV^{T}\) |
注意点等
- 固有値分解の1で\(A\vec{v}=λ\vec{v}\)となってたのが、4で\(AV=VΛ\)となっている。特異値分解も1で\(M\vec{v}=σ\vec{u}\)となってたのが、4で\(MV=US\)となっている。「固有値分解で、いつのまにλ(Λ)が左から右に移ってる件」に書いたとおり、対角行列である\(Λ\)や\(S\)は右から掛けないと順序性が保てなくなる。
- 5の式変換には以下の性質(公式)を使っている。
- \(S^{T}=S\)
対角行列\(S\)は転置しても変わりません。実際に2にある行列を転置してみれば明らか。 - \(U^{-1}=U^{T}、V^{-1}=V^{T}\)
特異ベクトル\(U、V\)は、長さ1で互いに直行する内積≠0のベクトル(これを難しく言うと「正規直交基底を列/行ベクトルとする正規直交行列」と呼ばれるらしいです)なので、逆行列と転置行列が同じになるそうです。この辺りを参考にさせてもらいましたm(_ _)m
- \(S^{T}=S\)
- 実際の計算となれば、\(SS=S^{2}=\begin{pmatrix}
σ_{1}^{2} & & \\
& σ_{2}^{2} & \\
& & ...
\end{pmatrix} \)なども使うが、対角行列の二乗はシンプルなので計算上問題にならないだろう。
大事なのは、特異値分解で出てくる\(SS\)の要素の平方根を取ることで\(σ\)となること。なお、特異ベクトル\(U、V\)は、もともと長さ(ノルム)1の特別な行列であり、平方根を取る必要はない。
0 件のコメント:
コメントを投稿