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2020年8月11日火曜日

固有値分解で、いつのまにλ(Λ)が左から右に移ってる件

固有値分解では、最初に\(A\vec{v}=λ\vec{v}\)と定義しておいて、行列を当てはめていくと\(AV=VΛ\)となり、いつのまにラムダ\(λ(Λ)\)が左から右に移っている。代数のトーシロなりに理由を調べてみた。 まず、固有値分解についておさらいをしておく。
#固有値分解の考え方
1 正方行列 \(A\) に対して、以下が成り立つ固有ベクトル\(\vec{v}\)と固有値\(λ\)が存在する。
\(A\vec{v}=λ\vec{v}\)
2 固有値を並べた行列を\(Λ\)とする。
\(Λ=\begin{pmatrix} λ_{1} &  & \\ & λ_{2} & \\ & & ... \end{pmatrix} \)
3 固有ベクトルを並べた行列を\(V\)とする。
\(V=\begin{pmatrix} \vec{v}_{1} & \vec{v}_{2} & ...\end{pmatrix} \)
4 行列で表すと
\(AV=VΛ\)
5 \(∴A=VΛV^{-1}\)

1で\(A\vec{v}=λ\vec{v}\)となってたのが、4で\(AV=VΛ\)となっている。まるで\(λ\)と\(\vec{v}\)が入れ替わってしまったかのよう。しかしこれは、対角行列である\(Λ\)を左から掛けるか、右から掛けるかの問題であり、この場合は右から掛けないと、列で並べた\(\vec{v}_{1} 、\vec{v}_{2}、…\)と\(λ_{1} 、λ_{2}、…\)の順序性が保てなくなる。だから\(AV=ΛV\)は誤りで\(AV=VΛ\)が正しい。なお、特異値の方も同じく\(S\)*を右から掛けなければならない(*\(Σ\)と表記するケースもある)。
行列を対角化するには」というページにとてもわかり易い解説があったので拝借した。ありがとうございますm(_ _)m。 \[ 対角行列を右から掛ける(←)と、各\bbox[skyblue]{列}がλ_x倍\\ \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \\ \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \bbox[orange]{λ_1} & 0 & 0 \\ 0 & \bbox[yellow]{λ_2} & 0 \\ 0 & 0 & \bbox[green]{λ_3} \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} \bbox[orange]{λ_1}a_{11} & \bbox[yellow]{λ_2}a_{12} & \bbox[green]{λ_3}a_{13} \\ \bbox[orange]{λ_1}a_{21} & \bbox[yellow]{λ_2}a_{22} & \bbox[green]{λ_3}a_{23} \\ \bbox[orange]{λ_1}a_{31} & \bbox[yellow]{λ_2}a_{32} & \bbox[green]{λ_3}a_{33} \\ \end{pmatrix} \] \[ 対角行列を左から掛ける(→)と、各\bbox[skyblue]{行}がλ_x倍\\ \begin{pmatrix} \bbox[orange]{λ_1} & 0 & 0 \\ 0 & \bbox[yellow]{λ_2} & 0 \\ 0 & 0 & \bbox[green]{λ_3} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \\ \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} \bbox[orange]{λ_1}a_{11} & \bbox[orange]{λ_1}a_{12} & \bbox[orange]{λ_1}a_{13} \\ \bbox[yellow]{λ_2}a_{21} & \bbox[yellow]{λ_2}a_{22} & \bbox[yellow]{λ_2}a_{23} \\ \bbox[green]{λ_3}a_{31} & \bbox[green]{λ_3}a_{32} & \bbox[green]{λ_3}a_{33} \\ \end{pmatrix} \]

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