表(おもて)がでるという事象に1という数値を、裏がでるという事象に0という数値を対応させ、4枚のコインを同時に投げて裏表どちらが出るかという試行を1200回行ったとして、下の表を作った。この表は確率変数と対応する確率との関係を表すものであるから、確率分布の表現の1つといえる。
事象 | 裏が0枚, 表が4枚 |
裏が1枚, 表が3枚 |
裏が2枚, 表が2枚 |
裏が3枚, 表が1枚 |
裏が4枚, 表が0枚 |
確率変数(裏を0、表を1と対応させ和をとった) | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
事象が発生した回数 | 75 | 300 | 450 | ① | 75 |
事象と対応する確率 | 1/16 | ② | ③ | ② | ⑤ |
確率変数と事象と対応する確率との積 | ② | ④ | ④ | ② | ⑥ |
分布の期待値としてふさわしい選択肢はどれか
「分布の期待値ぃ?聞いたことないなぁ」と不安になったが、要するに「確率変数Xの期待値」と同じ意味らしい。「確率変数Xの期待値」「Xの期待値」「分布の期待値」みな同じ意味とのこと。
12-3. 確率変数の期待値 | 統計学の時間 | 統計WEBのコラムで解説下さっていたm(_ _)m
で念の為、答えは、2。
\[
Σ確率変数✕確率\\
={}_4C_4✕4✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_3✕3✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_2✕2✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_1✕1✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_0✕0✕ \big(\frac{1}{2})^4\\
=\frac{1✕4}{16}+\frac{4✕3}{16}+\frac{6✕2}{16}+\frac{4✕1}{16}+\frac{1✕0}{16}\\
=2
\]
ちなみに「確率の和は?」という問も合った。
答えは、1。
\[
Σ確率\\
={}_4C_4✕\big(\frac{1}{2})^4+ {}_4C_3✕\big(\frac{1}{2})^4+ {}_4C_2✕\big(\frac{1}{2})^4+ {}_4C_1✕\big(\frac{1}{2})^4+ {}_4C_0✕\big(\frac{1}{2})^4\\
=\frac{1}{16}+\frac{4}{16}+\frac{6}{16}+\frac{4}{16}+\frac{1}{16}\\
=1
\]
「単純に足せばいい」については【高校数学A】「「和事象の確率」の求め方1(加法定理)」が大変わかりやすかった。別にトライイットの回し者ではない。「さすがプロ!解りやすいなぁ」と心底思った。
さらに、ちなみに、\({}_4C_0\)の計算で\(0!\)が出てきて、惑わせる。たとえばこのQAによると
「ABCDEという5コの中から0コを選んでくる組み合わせ」は
「Aを選ばずBを選ばずCを選ばずDを選ばずEも選ばない」
という
1通り
と解説されていたりします(この解説は\({}_5C_0\)の例)。いいね!とか付いてるので納得する方もいらっしゃるようだが、正直しっくりこない。結局、「階乗の意味と値の一覧。なぜ0の階乗は1になる?|アタリマエ!」に辿り着いて少し落ち着いた気がする。要するに、数学的に筋を通すには\(0!=1\)とすべき、という話であって、直感的にはわかりにく話ということでいいのだろう。虚数の二乗がマイナス1(\(i^2=-1\))になる話と同じで、直感的にわかる人の方が稀なはず。
さらに、さらに、ちなみに、\({}_4C_0\)の計算だが、そもそもコンビネーション\(C\)の計算で、中学で習ったとおりにやるとオカシなことになる。
たいていの中学校ではこう習ってるはずだ。例えば\({}_4C_2\)は「分子を4から始めて階乗を2つ並べ、分母は2から始めて階乗を2つ並べる」といったルールだ(4の階乗は本来4✕3✕2✕1なので、4✕3といった形で途中で止めることはしないが、ここでは厳密さよりわかりやすさを重視した)。だから\({}_4C_2=\frac{4✕3}{2✕1}=6\)となる。\({}_4C_4\)もうまくいく。\({}_4C_4=\frac{4✕3✕2✕1}{4✕3✕2✕1}=1\)という具合だ。じゃぁ!といって\({}_4C_0\)も同じようにやろうとすると「分子を4から始めて階乗を0つ並べ、分子は0から始めて階乗を0つ並べる」?!。分子は何が来るのか?分母はゼロになっちゃいそうだぞ。「やっちゃいけない」と言われ続けてきた「ゼロで割る」というやつか?!?!
ゼロの場合だけは、この簡便法では解けないので、公式に戻らなきゃいけない。\({}_mC_n=\frac{m!}{n!(m−n)!}\)に当てはめると、
\[{}_4C_0=\frac{4!}{0!(4−0)!}=\frac{4!}{4!}=1\]
ここで上記\(0!=1\)を使ってるわけですね。
ちなみに\({}_0C_0\)もいけちゃいます。
\[{}_0C_0=\frac{0!}{0!(0−0)!}=\frac{0!}{0!}=1\]
ま、これはもはや虚数と同じ、空想の世界のレベル。現実社会で普通に生きる凡人には、ほぼ必要とされませんね。宇宙の真理とか追求しちゃう人向けですかねw
追記
\[ Σ確率変数✕確率\\ ={}_4C_4✕4✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_3✕3✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_2✕2✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_1✕1✕\big(\frac{1}{2})^4+{}_4C_0✕0✕ \big(\frac{1}{2})^4\\ =\frac{1✕4}{16}+\frac{4✕3}{16}+\frac{6✕2}{16}+\frac{4✕1}{16}+\frac{1✕0}{16}\\ =2 \] 上の式は厳密には下の式のように書くべきだと思った。表(おもて)になる確率と裏になる確率が同じ\(\frac{1}{2}\)だったから問題ないものの、少し捻られたら対応できなくなる。例えば「コインを少し曲げてあるので、表の出る確率は\(\frac{1}{3}\)、裏は\(\frac{2}{3}\)だ」とか言われたら、上の式では対処出来ない。 \[ Σ確率変数✕確率\\ ={}_4C_4✕4✕\big(\frac{1}{2})^4✕\big(\frac{1}{2})^0+{}_4C_3✕3✕\big(\frac{1}{2})^3✕\big(\frac{1}{2})^1+{}_4C_2✕2✕\big(\frac{1}{2})^2\big(\frac{1}{2})^2+\\ {}_4C_1✕1✕\big(\frac{1}{2})^1\big(\frac{1}{2})^3+{}_4C_0✕0✕ \big(\frac{1}{2})^0\big(\frac{1}{2})^4\\ =\frac{1✕4}{16}+\frac{4✕3}{16}+\frac{6✕2}{16}+\frac{4✕1}{16}+\frac{1✕0}{16}\\ =2 \]
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